スーパーマンの帰還
『スーパーマン・リターンズ』を劇場で観てきた。
クリストファー・リーヴが主演した『スーパーマン』(1978年)、『 スーパーマン II/冒険篇』(1981年)の続編という位置づけらしいので、旧2作をテレビで“復習”してから観たのだけれど…。
まず、オープニングが素晴らしい。 旧『スーパーマン』のオープニング(クリプトン星から地球への旅)を現在の技術で再構成した圧倒的にダイナミックな映像。音楽はもちろんジョン・ウィリアムズのテーマ曲。一気に映画の世界に入っていけた。
物語に入ってからも、旧作のエッセンスに驚くほど忠実であろうとしてる。と同時に、旧作の「安っぽさ」を払拭している。このふたつを両立させているのが、なかなかすごい離れ業だと感じた。
今回見直してあらためて感じたことのなのだけれど、旧シリーズの方は話の筋立ても、細かなエピソードも、キャラクターも、結構安っぽいというか、子どもっぽい印象が強い。映像面でも、同時期の『スター・ウォーズ』シリーズと比べると、(当時の小学生の眼から見ても)一まわりユルい(B級の)肌合いを感じさせた。
だが今回の新作は、映像面でのスキはない。物語やキャラクターも、コミカルな要素は残しつつも、全体のトーンはシリアスなテイストを保っている。このあたりの「端正で生真面目」なテイストは、『X-MEN』シリーズでも見せたブライアン・シンガー監督の持ち味のように思われ、個人的には気に入った。
キャラクターでは、悪漢レックス・ルーサーを演じたケヴィン・スペイシーが素晴らしい。ジーン・ハックマンが演じたレックス・ルーサーの印象を巧みに継承しつつ(これほど近い雰囲気が出るとは思わなかった)、新作にふさわしい悪役像を演じきっている。サプライズは「地球での母」役に エヴァ・マリー・セイント! 失礼ながら、まだご存命とは知らなかった。自分にとっては『北北西に進路をとれ』でのヒロイン像が鮮明だが、いい感じのおばあちゃんを演じていました。
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