テクノロジー

2007-06-30

N700系のぞみの“顔”

「鉄っちゃん」ではないつもりだけど…。

東海道新幹線の新しいのぞみ“N700系”は広告などで見て、なかなかかっこいいと思っていた。 見た目のかっこよさでは「やっぱ500系が一番!」なので、それと比べると見劣りするけれど、700系と比べるとずいぶんいい“顔”(フロント部のデザイン)になったなあと。

そのN700系の顔の秘密についての記事があったので、興味深く読んだ。

新型新幹線「N700系」の“顔”を生んだ「遺伝的アルゴリズム」の秘密【その1】
新型新幹線「N700系」の“顔”を生んだ「遺伝的アルゴリズム」の秘密【その2】
新型新幹線「N700系」の“顔”を生んだ「遺伝的アルゴリズム」の秘密【最終回】 (日経トレンディネット)

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2007-04-22

中銀カプセルタワービル

中銀カプセルタワービルが建て替えられる(取り壊される)というニュースを見た。
構造
建築 物理空間の制約 ソフトウェア
建築家の傲慢

http://slashdot.jp/articles/07/04/19/0254214.shtml

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2007-02-25

ZigBeeにちょっと期待

ZigBeeという無線規格に興味を持った。

ZigBeeについて知ったのは以下の記事から:

元麻布春男の週刊PCホットライン
「“即戦力”育成を支援するZigBeeのコンテスト」
(PC Watch)

ZigBeeというのは、BluetoothのようなPAN向けの規格なのだろうか。ちょっと調べてみる。

ZigBeeとは (Wikipedia)
近距離無線の新規格「ZigBee」の可能性 (ITmedia)
IrDA、Bluetoothを反面教師にしたZigBeeの実力は? (@IT)

長所は:
・低消費電力(単3電池2本で、数カ月から2年間を想定)
・低コスト(1~2ドル程度になる?)
・中継による広範囲(メッシュ)ネットワークの構築を想定

短所は:
・低速(安定して転送できるのは144kbps程度?)
・直接通信距離は短め(Bluetooth程度)

汎用のデータ転送用としてはちょっと遅すぎる気がするが、ほんとうに安くなれば色んなガジェットやおもちゃに使いたくなる。複数のエンターテイメント・ロボットが相互に無線通信しながら動く、なんてことに使えれば面白そうだが。

もっとも未だキャズムを超えていない規格だし、Bluetoothという性格の近い規格との競合にさらされることは必至。 はたして数年後、広く使われているだろうか。

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2006-04-08

QRコードはみにくいか?

安藤日記で、色彩情報を使った2次元コードが紹介されていた。
その中の、QRコードについて言及しているところが目にとまった。

QRの普及を阻害している一つの理由が、
デザイン的に許せないくらいもっさりしてるところ。
例えば、印刷物として極限まで調整されている化粧品の広告の横に
白黒のもっさりした画素のかたまりを載せたくないでしょ。

なるほど。 “もっさり”か…。
書籍の装丁をやっているデザイナーが「本の裏表紙にバーコードとJANコードを定型的につけないといけなくなってから、本をひとつの世界としてデザインしきることができなくなった」と言っていたが、たしかにQRコードもデザイナーにとってはやっかいものなのかもしれない。

なんだけど、個人的にはQRコードのことを視覚的にうまくデザインされたコードだと感じている。それは最初に他の2次元コードと比較したせいかもしれない。

印刷物などでも普通に見かけるようになったQRコードだけれど、普及したのはここ数年。今でこそ2次元コードというと日本ではQRコードが独占的な位置を占めているが、最初からそうだったわけではない。はじめてQRコードのことを知ったのは、たしか1997年か1998年頃、物流関係の仕事をやっていて2次元バーコードを調べたときだ。その時点ですでに数種類の2次元コードが存在した。どれが普及するかはまだわからなかった。

参考: 2次元バーコードの特徴と種類

そのとき比較したのは、たしか CODE49、DATA MATRIX、QRコード(MAXI CODEもあったかも)。 機能的な違いはともかくとして、「一番、見栄えがいいな」と思ったのがQRコードだった。(四隅ならぬ)三隅に存在する(モジュールの位置および向きを検出するための)四角がコードを視覚的に引き締めているように感じた。

その後、ケータイにカメラ機能が搭載されたことが追い風となり(利用が無料であることやJISやISOでの標準化の努力もあって)QRコードは爆発的に普及。「比較的安価な撮像素子&シンプルなソフトウェアで読み取れる」という要求仕様を、審美的にも優れたかたちで実現したQRコードは「エンジニアの“良い仕事”」だと言っていいと思う。もともとデンソーで開発されたQRコードだが、開発者の名前をネットで見つけることができなかった。(かろうじて、野村政弘という人物が開発に関わっていたらしいということはわかった)

おっと、こんな記事もある。 「骨壺にもQRコードを」 (Slashdot) うーん…。

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2006-03-28

R-7ロケットは飛び続ける

以前書いた海外ドキュメンタリードラマ、『宇宙へ ~冷戦と二人の天才~』の全四回を見終わる。 見応えあり。ぐっとひきこまれながら見てしまう。

それにしても、これだけの番組を、ろくに宣伝もせず深夜に放送してしまうのはもったいないな。

フォン・ブラウン、セルゲイ・コロリョフの二人に対して、おおむね公平な描写という印象。アメリカ側の映像が暖色系、ロシア(旧ソ連)側が寒色系という色彩設計はあまりに図式的だが、場面転換がわかりやすかった。

ふたりとも、巨大な官僚機構に押しつぶされかけながらも不屈の精神で前進し続ける。障害を越えるやり方はそれぞれ違っていても。

ドラマではあるが、ふたりの主人公にからんだ人間関係以外は記録映像などを中心にした必要最小限の描写。もっとドラマとして盛り上がる作りにはできるだろうが、あえて抑制している姿勢に好感。

ロケットの描写(映像)が素晴らしい。ことにスプートニクやボストークを打ち上げるためのR-7ロケットと巨大なN-1ロケットは、(さすがにロシアのテレビ局が共同製作している恩恵なのか)豊富な記録映像と(CGを駆使した?)ダイナミックな再現映像で実に豪華。燃えるなあ。またサターンVの1段目を構成する(めちゃくちゃ強力な)F-1ロケットエンジンの燃焼試験の映像も凄い。アポロ計画がいかにとんでもないスケールのプロジェクトだったか、体感できる。R-7のクラスター構造や、サターンが克服に苦しんだ「ポゴ効果」など、ロケットの技術的な側面の説明もぬかりない。(ロケットについての参考サイト

それにしても。コロリョフ(とグルシュコ)が開発したR-7ロケットがいまだにソユーズ宇宙船の打ち上げなどに使われているという事実には驚かざるをえない。スプートニクを打ち上げたのが1957年。それから半世紀が経とうとしているのに、いまだ同じ基本設計のまま、有人宇宙船打ち上げの最前線に立ち続けているとは。

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2006-01-26

QRIOのダンス、上達中

ソニーのロボットQRIO。昨年は「アルゴリズムたいそう」をこなしたりしていたが、もっとすごいパフォーマンスを発見。

Beckのプロモーションビデオ『Hell Yes』に出演している。

4体のQRIOが全篇踊り続けで、Beckのプロモーションと言うよりQRIOのプロモーションに見えるほど。妥協のない振り付け(これを見てしまうと、アルゴリズム体操も“追い込めば”もっといい動きになったような気がする)とクールな演出で、今のQRIOにできる最高レベルのパフォーマンスを見せている。

ビデオはBeckのサイトでも見ることができる(VideoからHell Yesを選択)し、ちょっと重いが大きめの動画のサイトもある。Beckのサイトにある『Hell Yes (One Shot)』という別バージョンでは、一曲まるまるカメラ固定でQRIOの踊りを見せている。

参考: Beck Gets World's Only 'Dream Robots' Dancing To 'Hell Yes' (MTV.comの紹介記事)


(1/26 夜 追記) …などと書いていたら、“ソニー「QRIO」新規開発を中止” というニュースが。たしかにロボット事業が短期的に大きな利益を生む可能性はないと思われるので、経営的には正しい選択なのだろうが、残念。Sony CSLは大丈夫だろうか。

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2005-11-20

はるか宇宙で日本の探査機が奮闘中

このところ、探査機はやぶさの動向に一喜一憂。

小惑星に接近し、そこから岩石の標本を入手して地球に持って帰るという大胆なプロジェクト。2年前に打ち上げられ、現在は小惑星「イトカワ」に近づき奮闘している。

いや、奮闘しているのは地球にいるJAXA(宇宙航空研究開発機構)のスタッフの人たちでもある。松浦晋也さんのブログに動向が詳しく載っているが、困難なミッションに正面から立ち向かっている様子に感動する。(松浦さんのブログによる素晴らしい広報活動に感謝)

※ この記事を「サイエンス」カテゴリーではなく「テクノロジー」カテゴリーに入れたのは、もともと「はやぶさ」が工学的な検証を目的とした実験機という位置づけであるため。また、個人的に感動するのが、このミッションを実現している技術的な面(イオンエンジン、深宇宙での自律制御と地上での運用)であるせいでもある。もちろんこのプロジェクトによって小惑星科学に新しい知見が得られたら(これまでに受信したデータからもきっと得られると思うが)、それは素晴らしいことだと思う。

【11月30日追記】 小惑星からのサンプル採取のプロセスもうまくいったようだ。このプロジェクトに関わっている人たちにおめでとうと言いたい。(さっそくスラスターに障害が発生するなど)帰路も大変だと思うけれど、何とか持ちこたえて戻ってきてくれることを祈っている。

【12月11日追記】 サンプル採取のプロセス、岩石を粉砕するための弾丸の発射がなされなかった(かも)との報道あり。残念だが、今はスラスターの不調が解決することを祈るくらいしかできない。JAXAほか関係者の皆さん、がんばってください。

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2005-10-25

ロープウェイの可能性

きっかけは映画の中の一風景だった。重慶の街の上をロープウェイが走っていた。

ちょっと前、『ションヤンの酒家』という映画を観た。現代の中国の都市・重慶を舞台にした人間ドラマで、なかなかいい映画だったのだけれど、本筋と関係のないところが印象に残ったのだ。

映画の中で、主人公はロープウェイに乗って川を渡り、少し霧のかかった市街地の上を進む。高低差のない(ように見えた、実際は結構あるのかも)市街地の上をロープウェイが走っているというのが、ちょっと意外な感じだった。

重慶は、人口1500万人とも言われる中国内陸部最大の都市だ。街は長江と嘉陵江という二つの大河にはさまれた丘陵地に広がっており、どうやら、ロープウェイは市の中心部と長江・嘉陵江の対岸を結ぶ2路線があるらしい。

ロープウェイというと、山を登るための観光用のものというイメージがあったが、このロープウェイは庶民の足であるようだ。(参考その1その2) これを見て、観光用に限定されない、公共交通機関としてのロープウェイというものの可能性を考えてみたくなった。

(そういえば、愛知万博でもロープウェイによる会場内・会場間の移動があったなぁ)

ロープウェイの利点としては、
 ・高低差に強い
 ・一両ごとの運転手が不要(固定費を抑えられる)
 ・建設費が安いかも?
 ・(法的な制限を考えなければ、)都市の上空を効果的にレイアウトできそう
などが考えられる。

一方、欠点としては、
 ・あまりスピードは出せそうにない
 ・一両にそう多人数は乗れそうにない
 ・基本的には2点間の移動で、途中で降りられない
 ・強風下では運行できなさそう
 ・耐震性は? 非常時の脱出方法は?
 ・エネルギー効率はどうだろう? 基本的には等速運動だから効率よさそうだが。
 ・上空から見下ろされたくないという感情(万博でも会場間移動で問題とされた
などがあるかもしれない。

公共交通機関の採算がとれにくい小都市には向いているような気がするのだが。「ロープウェイ特区」なんて作って試してみたらどうかな。

調べているうち、モノレールとロープウェイの特性を組み合わせた経済的な交通システムとして、スカイレールというのを神戸製鋼所が提案しているのを見つけた。(Wikipediaの解説広島県にスカイレールの路線があるようだ。

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2005-10-24

ウィリアム・マクドナーが考える産業デザイン

ウィリアム・マクドナー(William McDonough)は建築家・工業デザイナー。環境を破壊しない産業システムが可能だと説き、実践を進めている(Newsweek日本版 2005.6.29)。

William A. McDonough, FAIA

彼は、ミヒャエル・ブラウンガルト(Michael Braungart 化学者)とともに『アップサイクル』という概念を提唱している。従来のリサイクル技術では再生の過程で徐々に劣化する(ダウンサイクル)のはやむをえないと考えているのに対して、『アップサイクル』では再利用の過程で品質を向上させるよう工程が考えられている。

マクドナーの言葉の抜粋:

18世紀の産業革命は、計画されたものではなかった。(中略)結果、私たちは年に何十億トンもの有害物質で大気と水と大地を汚し、莫大な量の廃棄物をはき出している。
 私たちは「ゆりかごからゆりかごへ」の製造プロセスを考えている。すべてのものが無害な「生物的栄養素」として土に帰るか、「技術的栄養素」として工場に戻り、何度でも再利用される。
 たとえばアルミは、回収・再利用できる「技術的栄養素」の典型だ。1880年以降、人類は6億6000万トンのアルミを製造したが、うち4億4000万トンは今でもどこかで使われている。
(紙製品について)ブラウンガルトと共著の『ゆりかごからゆりかごへ(Cradle to Cradle)』は、永久にリサイクルできるプラスチック樹脂に印刷した。製紙会社と軽量化を図っているところだ。
 約83℃の熱湯に漬けると紙からはがれ落ちるインクも開発した。通常の使用で80℃になることはないから、まちがって字が消える心配はない。このインクは回収して、塩素やダイオキシンを出すことなく再利用できる。
私は寿命5年の車が欲しい。5年ごとに買い換えれば、いつでも最新の、いちばん環境にやさしい車に乗れる。(中略)古い車は新しい車にアップサイクルされるし、雇用が無くなる心配もない。廃車にするやましさを感じることもない。
(スイスにあるローナー社の繊維工場で)私たちは食べられるほど安全な繊維を作った。突然変異誘発物質も発ガン性物質も、環境ホルモンも重金属の汚染物質も、いっさい使っていない。オゾン層の破壊、アレルギー、水質汚染のおそれのある化学物質もゼロだ。
 私たちは一般的に使われる8000種類の化学物質を検査し、38を厳選した。廃水は飲料水と同じくらいクリーンだった。

非常に魅力的な考え方。あまりに魅力的なので、マユツバものなのではないかと少し疑わないでもない。しかし、工業製品の製造・再生サイクルの中の化学的なプロセスに注目していることや、実際にいくつかの企業(ハーマン・ミラー社やGAPなど)と協力して具体的な行動を進めていることなど、構想を描くだけの夢想家とは違うのは明らかだ。

その後、Newsweek日本版(2005.9.28)では、中国の農村での「生態系に配慮した都市開発プロジェクト」をとりあげている。マクドナーと鄧楠が共同所長を務める米中持続可能開発センターによるプロジェクトで、再利用可能・低エネルギー消費を実現した街作りの実験が進行中だという。

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2005-09-23

100年たったら(燃料篇)

1897年、ディーゼルエンジンが発明されたとき、その燃料はピーナツ油だった。ヘンリー・フォードも自動車用エンジンの燃料として植物からつくるエタノールを使うことを考えていたという。

そして今、ふたたび植物由来のバイオ燃料が注目され、利用され始めているようだ。

主に自動車用燃料として利用されているのは以下のふたつ。
エタノール(エチルアルコール)
バイオディーゼル

Newsweek日本版(2005.9.21)によると、ブラジルでは、多くのドライバーが「ガソリンにエタノールを25%程度混ぜた」燃料を使っているという。日本ではガソリンへのアルコールの混入は3%までしか認められていないが、今後は変わるかもしれない。今年5月、ブラジル大統領が来日した際、小泉首相はエタノール利用の推進を検討すると表明している。(参考: 石河照大さんによるコラム

エタノールは、サトウキビやコーンから作られるのが一般的。蒸留酒の製造と似たような感じだろうか。燃料用のエタノールの生産量は年間300億リットルくらいで、ブラジルとアメリカがその大半を占める。新しい技術として、植物繊維の主成分であるセルロースを捨てずに使う技術も研究されているという(カナダのイオジェン(Iogen)社が麦わらからエタノールをつくる工場を建設)。

バイオディーゼルの方は、菜種や大豆から得られる植物油を精製してメチルエステルをとりだして利用する。普通のディーゼルエンジンでは、軽油に20%まで混ぜて利用できるとのこと。バイオディーゼルの生産・利用ではドイツがトップを走っている。ヨーロッパで捨てられている食用油1年分で10億リットル以上のバイオディーゼルを作ることができるという試算もあり。

バイオ燃料は、コスト的に石油燃料とそこそこ競争できて、環境への負荷が低い。長期的に見て、石油の安定供給がどれだけ続くか不透明だと考えると、バイオ燃料の利用が拡大していく可能性は大きい。

参考: ジャーニー・トゥ・フォーエバー

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