すべてが政治的行動になる… (ハスケル・ウェクスラー)
ハスケル・ウェクスラーの言葉(『マスターズ・オブ・ライト アメリカン・シネマの撮影監督たち』より):
私たちの文化は、消費中心主義や利潤追求や個人の利己的態度を“非政治的”なるものとして受容するようになっており、いっぽうで独立宣言の基本的な部分を政治的発言と見なすようにもなってしまっている。(だが、)私は人が社会的人間としてとる行動のすべてが政治的行動になると主張する。人の言葉もまた然りだ。
ハスケル・ウェクスラーは、撮影監督として『夜の大捜査線』、『カッコーの巣の上で』、『メイトワン - 1920』といった映画にかかわったほか、政治・社会問題に関わるドキュメンタリー映画・劇映画の監督もしている人物。(allcinema onlineにフィルモグラフィあり)
『マスターズ・オブ・ライト』は、ヴィットリオ・ストラーロやゴードン・ウィリスなど様々な撮影監督へのインタビュー集。技術的な面、撮影チームの人間関係、撮影監督としてのキャリアパスから芸術観までさまざまな要素が取り上げられており、今となっては若干内容が古いものの、今なお興味深い本だ。
ウェクスラーは、こんなことも言っている。
政治的非難に終始する映画は私は信じないし好きでもない。というのは、そういう映画は人に影響を与えることがないからだ。同意するものは気に入り、同意しないものは嫌う。何の役にも立たない。私は、他人に対する理解力を高めるようなものが好きなんだ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント